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管理栄養士に聞く!非常食の準備の基本〜保育園での準備〜

こんにちは、コドモンで管理栄養士をしている川口です!

毎回好評をいただいているコドモンストアのブログですが、今回は管理栄養士の目線で、みなさまに役立つ非常食についての情報をお届けいたします。

「非常食ってどんなものを準備したらいいんだろう……」
「充分な非常食を準備できているのか不安……」と悩まれている方が多いのではないでしょうか?

今回は保育園での非常食の考え方や準備すべきポイントについて、詳しく説明していきます。

今回のもくじ

    • 1. 保育園での非常食の考え方
    • 2. 準備すべき非常食のポイントとは?
    • 3. おすすめの非常食をご紹介
    • 4. 非常食の保管方法

    1.保育園での非常食の考え方

    保育園では、災害発生から5日分の給食メニューが必要とされています。

    これは、東日本大震災の際に、被災地に救援物資が届くまでに5日かかったと言われているからです。保育園でも災害時には外部から食材を調達できるまでに5日間は必要と考え、準備を整えましょう。

    保育時間内の備えだけではなく、保護者が迎えに来られない場合も考える必要があります。

    備蓄として準備しておく量は、昼食(1食)とおやつ(0.5食)を合わせた1.5食分を1日の食数として計算します。
    必要な食数は以下を参考にしてください。(※ 離乳食は別途準備が必要です)

    食数計算=1歳以上の入所児※1+(職員数×2)※2

    ※1:定員数または在籍数の多い方で算出
    ※2:施設の換算率を基準として算出


    園児分はもちろんのこと、災害時対応にあたる職員分も考慮して準備します。

    献立内容や使用食品、調理手順などを記載した災害時給食マニュアルを作成しておくと安心です。
    給食職員だけでなく、他の職員が見ても対応できる状態にしておきましょう。

    2.準備すべき非常食のポイントとは?

    電気・ガス・水道がすべて止まる可能性も考えられますので、衛生面にも配慮して非常食を準備する必要があります。

    発災後2日目までは以下のポイントをふまえて非常食を選択しましょう。

    • ●加熱調理はせず、水をなるべく使用しないで提供できるもの
    • ●食具や食器が不要でそのまま分配できる個別包装のもの

    水は飲料水のみであれば1人1日当たり2.5~3Lを目安とします。その他調理用水や生活用水も必要に応じて準備しておくとよいでしょう。

    また、非常食は1.5食分で普段給食を提供している目標量の45%を供給できるように準備しておきます。

    エネルギーやたんぱく質の確保、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンCなどの栄養価を摂れるように配慮できるとよいです。

    次のおすすめの非常食で詳細をご確認ください。

    3.コドモンストアで購入できる非常食をご紹介

    準備すべきポイントをふまえ、個包装や食器を使わなくても提供できる非常食をご紹介します。1、2歳児では食器が必要な場合もありますので、子どもの発達に合わせてご準備ください。

    携帯おにぎり

    手袋やラップを使わずにお湯または水を入れるだけで、簡単におにぎりができあがります。
    完成後は袋の真ん中を切り取り、持ち手にすることでそのまま食べることができます。
    衛生面にも配慮しながらエネルギーの確保が可能です。

    豚汁

    豚肉も含んだ汁物であるため、たんぱく質も補給できます。
    子どもへの提供は、塩分を抑えるためにお湯で少し薄めると安心です。
    常温で製造日より6年間保存ができ、商品の入れ替えも効率よくできる商品です。

    野菜たっぷりトマトのスープ

    いんげん豆を中心に4種の豆、8種の野菜と小麦が含まれています。
    たんぱく質に加えてビタミンB1、B2も豊富な大豆をスープで摂取することができます。
    スタンドパックで食器がなくてもそのまま食べることが可能です。

    パイン&みかん

    防災時に不足しがちな食物繊維やビタミンCが含まれています。甘味をとることで気持ちも和らぎ、食事の楽しみにもつながります。

     


    4.非常食の保管方法

    非常食の入っているケースやダンボールに「食品名」「個数」「賞味期限」を記入して保管しておくと、誰でも取り出すことが可能になります。備蓄品は、一目でなにが保管してあるのかわかるように、リスト化して目につく場所に貼りだしておきましょう。

    なお備蓄スペースがない施設では、食品を消費しながら買い足すローリングストックがおすすめです。
    缶詰など保存性の高い食材や加工品を普段から少し多めに購入しておき、使った分だけ新しく買い足すことで常に一定量の食品を施設に備えておくことができます。

    施設の保管場所の状況に合わせて、準備をしていきましょう!

    災害はいつ発生するかわかりません。
    いざという時に子どもたちの安全を守れるように、日ごろから災害時に備えた準備をしておきましょう。

     

    参考文献:(公)日本栄養士会 保育所における災害時対応マニュアル-給食編-

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