管理栄養士に聞く!非常食の準備の応用〜非常食とふれ合う食育〜
これまで非常食の準備の基本として、保育園での非常食の考え方や乳幼児食・離乳食・アレルギー食でそれぞれ準備するポイントをお伝えしてきました。
これまでの非常食のコラムはこちら:
管理栄養士に聞く!非常食の準備の基本〜保育園での準備〜
管理栄養士に聞く!非常食の準備の基本~離乳食やアレルギーの非常食の準備は?~
今回はその応用編として、子どもたちが非常食とふれ合う機会を作る食育の大切さについて、解説していきます。
今回の目次
- 非常食とふれ合う機会をつくろう!
- 非常食と一緒に準備しておくと良いものとは?
- コドモンストアで購入できる商品のご紹介
1.非常食とふれ合う機会をつくろう!
いざ災害が発生した時に迷わず行動できるよう、日常から災害時を想定した避難訓練が必要です。
みなさまの保育園でも定期的に目的をもった避難訓練を実施されていることでしょう。
同じように食事においても、非常食を準備するだけでは万全ではありません。
避難の訓練をするのと同じように、非常食とふれ合う機会を子どもたちと一緒に作ることをおすすめします。
非常食が充分に準備されていたとしても、災害発生時は日常と同じように調理できるとは限りません。また子どもたちも普段食べ慣れない食事を災害時だけ食べることは難しい場合もあります。
そのため災害発生時の状況を想定し、事前に食事がきちんと提供できるか職員間で確認し、子どもたちにも非常食に慣れておく機会を作ることが大切です。
例えば、災害発生時に想定されるライフラインのケースと必要な対応として、以下が考えられます。
引用:(公)日本栄養士会 保育所における災害時対応マニュアル-給食編-.図3 非常災害時初期対応フローチャートより一部抜粋
さまざまな状況を想定し、調理から子どもたちへの食事提供を行うことで、いざという時の行動力がつけられます。
また備蓄していた非常食を実際に使ってみると、不足していたものや一緒に用意しておくべきものがあらためてわかり、これまでの準備の見直しにつなげることができます。
子どもたちはもちろんのこと、大人でもはじめて経験することは不安になります。
それはいざという災害時ならなおさらのことと思います。
不安を少しでも解消するためにも、日ごろから非常食にふれ合う機会をぜひ作っておきましょう。
非常食の買い替えのタイミングに行うと無駄がありません。
2.非常食と一緒に準備しておくと良いものとは?
非常食だけではなく、一緒に準備しておくと良いとされる器具や調理・衛生用品があります。災害発生時の施設の状況により、さまざまなケースが発生することが予想されるためです。
幼児期の子どもたちに食事を提供するときには、水道が止まり手を洗うことができなくなったり、食器が使用できないことも想定されます。
その場合、ウェットティッシュで手や机を拭いたり、普段利用している皿の上にラップを敷き提供時に交換することで衛生的な食事提供が可能になります。
また離乳期の子どもにミルクを与えている場合には、災害時に哺乳瓶が使えない状況になることも考えられます。
その際には、カップフィーディング*と呼ばれる方法での授乳を検討する必要性も想定されます。
*ミルクを飲ませる時に哺乳瓶を使わず、カップを使用して授乳する方法
このような状況に対応できるよう、非常食と一緒に準備しておきたいものをご紹介します。
<器具>
カセットコンロ、ガスボンベ など
<調理・衛生用品>
使い捨て手袋、使い捨て食器(紙コップ、紙皿)、使い捨てスプーン・フォーク
割りばし、ストロー、ラップ、アルミホイル など
調理・衛生用品は、ローリングストック*で日常的に使うものを多めにストックしておくと非常時にも活用できます。
*普段から少し多めに商品を購入し、消費しながら買い足すことで一定量を備蓄する方法
3.コドモンストアで購入できる商品のご紹介
準備すべきポイントをふまえ、非常時に活用できる調理・衛生用品をご紹介します。
日ごろから多めに準備し、非常食と一緒に備蓄しておくと安心です。
■災害時用 オリジナル食器セット
■超・防災用ウェットティッシュ
■ラップ
その他非常食の一覧はこちら
今回で管理栄養士目線でお届けする非常食についての記事は最後となります。
非常食を準備する情報として少しでもお役立ていただけますと幸いです。
災害はいつ発生するかわかりません。
いざという時に子どもたちの安全を守れるように、災害時に備えた準備をしておきましょう!
最後までご覧いただきありがとうございました。
参考文献:
(公)日本栄養士会 保育所における災害時対応マニュアル-給食編-
施設にあった備えや補助金ご利用のご相談など、防災士スタッフがご対応いたします。是非、お気軽にご相談ください