【以上児向け】子どもが遊び込める環境づくり
保育室内の環境づくりの中で、遊びに集中できる環境の整え方に悩みを持たれたことはありませんか?
部屋を区切って保育を行う際、「子どもがより遊びに集中できるようにしたいがどんな仕切り方が適しているだろう」など、仕切りの設置や選び方について悩みを持たれている施設も多く、ストアにも相談をいただくことがあります。
保育室において、子どもが落ち着ける環境を作ることは特に重要ですが、そのポイントは以上児・未満児では異なり、配慮する点が違ってきます。そこで今回は以上児の「子どもがより遊びに集中できる環境づくり」について、事例を交えてご紹介したいと思います。
未満児の記事はこちら
室内環境を変える必要を感じるタイミング
●子どもが走り回っているときや、動線が交差している時、けんかが頻発しているとき- ●人気の遊びに子どもが集中しすぎないよう、遊びを分けたいとき
室内環境を変える時に配慮したいこと
子どもの発達や特性に応じた合理的配慮
- ●細かく仕切りすぎない
動きが制限されすぎてしまうと遊びの幅も制限されてしまいます。
- ●複数人で遊べるスペースを確保する
以上児は子ども同士のかかわりが増える時期です。1人遊び用のスペースを作ることで、みんなで遊べるスペースが狭くなるようであれば、子どもたちの様子を見ながら1人用スペースは常設しないという選択肢も。ただし、1人遊びスペースが必要時にはすぐ作れるようにしておくことをおすすめします。
- ●子ども・保育者双方の動線を確保する
子どもたちの動き | 先生の動き |
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取り組み事例の紹介
●施設種別:認可保育園
●定員数:120名
保育室内を4つのエリアに分けてそれぞれ年齢に合わせた 遊具・おもちゃを用意
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各エリアの紹介
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机上遊びエリア おえかき、粘土、ゲームなどをするスペース おままごとエリア キッチン、机、おままごとのおもちゃで遊べるスペース 絵本エリア 絵本棚のあるスペース 積み木遊びエリア 積み木、ブロックなどで遊べるスペース
遊びのエリアを区切ったことによる子どもの変化
- ●やりたい遊びが選びやすくなった
- ・自我が発達した以上児は、それぞれやりたい遊びが異なるので異なる遊びのエリアを作ったことで好みの遊びで遊べるようになった
- ●遊びへの集中が高くなり、落ち着いて遊べる事が増えた
- ・広い空間で遊ぶことが苦手な子どもは、空間を区切ることで落ち着いて遊べるようになった
- ●お友だちとじっくり向き合う時間ができた
- ●目的のおもちゃが取り出しやすい
- ・仕切りが棚の場合、各エリアのおもちゃを棚に入れることできおもちゃの用意がスムーズになった
仕切りに適した机や棚の選び方
- ●机や棚の高さは60㎝程度のもの
- ・子どもが座った時に、他のスペースの子どもが目に入りにくく集中しやすいため
- ・保育者は太もも~腰くらいの高さに棚がくるため見渡しやすい
- ●仕切りと収納になる絵本棚
- 絵本コーナーの仕切りとしては収納も兼ねて絵本棚を用いた。平置きできる棚を選ぶと子どもたちが本を手に取りやすそうだった
- ●両側から収納できる背板の無い棚
- 両側から物が入れることができるような背板の無い棚を使用すると隣接する2つのコーナーから収納ができるため、空間を有効に使うことができた
まとめ
以上児クラスは、マットでエリア分けをしたり、棚を利用して遊びの種類ごとにコーナーを作ることで、子どもがより落ち着いて遊びに集中できるようになることが多いようです。コドモンストアでは、多くの施設の目的に合わせた室内環境作りのサポートをしてきたスタッフによる相談も承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。