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【未満児向け】子どもが遊び込める環境づくり

保育室内の環境づくりの中で、遊びに集中できる環境の整え方に悩みを持たれたことはありませんか?
部屋を区切って保育を行う際、「子どもがより遊びに集中できるようにしたいがどんな仕切り方が適しているだろう」など、仕切りの設置や選び方について悩みを持たれている施設も多く、ストアにも相談をいただくことがあります。

保育室において、子どもが落ち着ける環境を作ることは特に重要ですが、そのポイントは以上児・未満児では異なり、配慮する点が違ってきます。そこで今回は未満児の「子どもがより遊びに集中できる環境づくり」について、事例を交えてご紹介したいと思います。

 

室内環境を変える検討をしたほうがよいタイミング

  • ●子どもが自分の好きな遊びを見つけることができず、遊びが続かない時
  • ●他の子どもやおもちゃが目につき、遊び込めずにいる時
以前は集中して遊べていた子どもが、意識が散漫になり、どんな遊びも途中でやめてしまうなどの変化が見えた場合には、室内環境を変える検討をするとよいでしょう。また、感情の起伏が激しく、ほかの子の遊びを阻害してしまうなど全体への影響が大きい子がいる場合には、その子の発達や特性に応じた環境構成を考える必要があります。

 

室内環境を変える時に配慮したいこと

以上児の保育室では遊びに合わせて環境を変えることが、子どもたちが遊び込める環境づくりに役立ちますが、未満児の場合は、保育室の環境を大きく変えてしまうると子どもがストレスを感じてしまうこともあるので、大きな変化は与えないようにゆるやかに環境づくりを行う必要があります。

子どもの発達や特性に応じた合理的配慮
発達の度合いや特性は個人差もあるので、同じ月齢でもすべてに当てはまるわけではないですが、乳時期の子どもは視覚から入る情報を理解しやすく、視覚から入る情報をごちゃごちゃさせずに整理することで、落ち着く・安心する・集中するの3つができやすくなります。
    • 例)
    •  ●本棚にたくさんの絵本を並べるより、厳選した数種類を表紙が見えるように並べる
    •  ●仕切りによってある程度の視界を遮ることで、そのエリアの遊びに集中できる
    •  ●パーテーションによるエリア分けも複雑なものにしすぎない

    ひとり遊びの環境を確保する
    自分一人で集中して遊びこむ経験は、集中力の発達や物を貸し借りする態度にまで繋がっていくため、ひとり遊びの環境を確保することはとても重要です。パズルなどのひとりでじっくり遊べるおもちゃを用意し、ひとり遊びをしやすいスペースを確保しましょう。

     

    取り組み事例の紹介

    ●施設種別:認可保育園
    ●定員数:100名 
    • パーテーションの設置

    以前はパーテーションを使い中央で大きく2つ(遊びエリア/食事・午睡エリア)に分割しただけでしたが、遊びエリアを棚やパーテーションでさらにエリア分けして遊びに集中できる環境を整備されました。

    • 各エリアの紹介
    •  フリーエリア① ブロックや積み木などであそぶスペース(木製のマットが置いてある他のエリアより広いエリア)
      フリーエリア② 1人遊びのスペース(壁や窓で囲われた場所を小さめに仕切ることで1人~2人くらいが遊べるエリア)
      プチサーキットエリア 木製トンネル、足育マット、人工芝、はしごなどを使ったプチサーキット遊びのスペース
      絵本エリア 絵本棚を設置したスペース
      おままごとエリア おもちゃのキッチンを設置したおままごと用スペース

       



      遊びのエリアを区切ったことによる子どもの変化

      • ●遊びへの集中力が高まる
        • ・他のおもちゃを使っている子どもの様子が見えなくなることによって、自身の遊びに集中できるように
        • ●保育室の使い方を覚える
          • ・「ここは何をする場所なのか」がわかりやすくなる
          • ・おもちゃをしまう棚や絵本棚の設置によりおもちゃ・絵本を片づける場所が覚えられる
          • ●片付けがしやすくなる
            • ・おもちゃの散らかり範囲が制限され、子どもたち自身のお片付けがしやすく、片づける場所が覚えやすい
            • ・先生が片づける場合も時短に
            • ●子ども同士の関わりに変化が生まれる
              • ・遊べる人数に限りがあるので、順番やあそびのルールを子どもに教えるようにすることで、子どもたちの関わりに変化が生まれる
                • 例)
                • ・順番を学ぶ
                • ・周りの友だちのことを考える
                • ・遊べない時間に何をしようか自分で考える など

                おもちゃの入れ替えや新しい遊びがある時は、子どもが一箇所に集中することがありますが、その場合は無理に他のコーナーに誘導せず人気のある遊びのコーナーを拡張するとよいでしょう。

                パーテーションの選び方

                • ●パーテーションの高さの目安は50cm~60cm
                  • 集中して遊べるよう座った子どもからは周りの様子は見えないけど、保育者からは見やすい高さ。未満児の場合、60㎝を超えてしまうと外から見えにくいこともあるので対象児によって使い分けを。
                  • 保育室の雰囲気に合わせた素材選ぶ
                    • 木材を使い、あたたかみを大切にしている施設は、木製のパーテーションを選ぶなど、保育室の雰囲気に合わせてみては。
                      • 固定して使用することが多い場合は重みのある木材のパーテーションを設置。パーテーションの位置を変えることが多い場合は、軽くて動かしやすいPVC(ポリ塩化ビニル)のものがおすすめです。

                      パーテーション設置時の悩みと対応方法

                      • 子どもがパーテーションを揺らしてしまうことがあり危険なので以下の対応策を!
                        • ・万が一倒れたときのことを考慮し比較的安全な柔らかい素材のものにする

                        • ・壁や床に打ち付ける

                        • ・自重のある棚などと連結する

                        • ・パーテーション同士を連結する

                          まとめ

                          未満児の場合、保育室の環境を大きく変えてしまうと子どもがストレスを感じてしまうこともあるので、大きな変化は与えないようにゆるやかに環境づくりを行いましょう。

                            コドモンストアでは、多くの施設の目的に合わせた室内環境作りのサポートをしてきたスタッフによる相談も承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。

                             



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