子どもの成長にあわせた食具の選び方と練習のコツ
今回は、子どもが初めてスプーンやフォーク、そしてお箸を使い始める時期にぴったりな食具の選び方と、食器を使う練習のコツについてご紹介します。
スプーン・フォークの持ち方
まずはスプーンとフォークについてです。1歳前後から使い方を教え始める施設が多いのではないでしょうか。発達に伴い、持ち⽅は"3段階"に変化していきます。
STEP1. 上手持ち
使い始めはわしづかみで持つ「上手持ち」から。子どもにとっては一番楽な持ち方です。最初は、無理に握り方を直す必要はありません。食べ物を乗せた状態で子どもに渡すのもよいでしょう。
STEP2. 下手持ち
手首の回転がスムーズになってくると、下から握ってすくう「下手持ち」に移行します。すくう動作は難しいので、最初はサポートしながら進めていけるとよいでしょう。
STEP3. えんぴつ持ち
指先が器用になったら、次は3本の指を使う「えんぴつ持ち」に。(「バキューン持ち」「3点持ち」という言い方もあります。)まずは、子どもに親指と人差し指を立ててピストルの形を作ってもらい、その形のまま、指の上にスプーンを乗せてあげます。指でつまむようにスプーンを持ち、親指、人差し指、中指の3点で支えられればOKです。
練習期のスプーン・フォークの選び方
子どもにとって持ちやすく、使いやすい食具を選ぶことが大切です。本体の軽さとスプーン・フォークの形状に注目してみましょう。子どもはまだ食具を使うことに慣れていないので、軽いものだと扱いやすく練習がしやすくなります。
この時期におすすめのスプーンとフォークをご紹介します。どの製品も、子どもの発達から、握りやすさ、すくいやすさ、持ちやすさを考慮して作られています。持ち⽅の3段階によって使いやすい⾷具は変化します。子どもたちがどの段階にいるか、照らし合わせてチェックしてみてください。
商品名 | ステンレス スターティングベビースプーン/フォーク | 中空ステンレスミニスプーン | 中空ステンレススプーン/フォーク | スプーン10本セット |
持ち手の形 | わっか状ハンドル |
握りやすい太さ 持ち手部分が空洞で軽い |
握りやすい太さ 持ち手部分が空洞で軽い |
一般的な子ども用スプーンと同じ形状 |
先端の形 | 適度な深さとすくいやすさがある作り |
食器のフチに密着するようまっすぐな作り 幅先端が小さい作り |
適度な深さとすくいやすさがある作り | 適度な深さとすくいやすさがある作り |
おすすめの時期 | 上手持ち 下手持ち |
上手持ち 下手持ち |
上手持ち 下手持ち えんぴつ持ち |
下手持ち えんぴつ持ち |
持ち手部分の形状
持ち方によって適切な形があります。
- ●上手持ち:持ち手が輪になったものだと、小さな手でもしっかり握りやすくなります。
- ●上手持ち〜下手持ち:つかむ・握るといった動作がしやすいよう、握りやすい適度な太さがあるものがおすすめです。
先端部分の形状
子どもの口の大きさと動きに合うものを選びましょう。
先端部分に適度な深さがあると、汁物がこぼれづらく、すくいやすくなります。中には、食器に沿わせてすくいやすいように、先端がまっすぐになっているスプーンもあります。
また、先端の大きさが子どもの口幅に合っているかも、確認が必要です。特に上手持ちの時期の子どもは、年齢が低い場合が多いため、口幅にあわせた大きさのものを選ぶと使いやすくなります。
お箸の持ち方とサポートのコツ
お箸の練習は、スプーン・フォークを問題なく使えるようになり、じゃんけんでチョキができるようになったころからスタートします。
まずは、スプーン・フォークで練習した「えんぴつ持ち」で、子どもにお箸を一本持たせます。それができたら、もう一本のお箸を親指と中指のあいだに差し込んであげると、自然な持ち方ができます。
最初は、お箸を動かしたり・つまむ動きが難しく、なかなか練習が進まない子もいるかと思います。そんなときは、遊びの中で手を動かしてみるのもおすすめです。
お箸の練習におすすめの遊び:スポンジ運び
- 2つの箱を用意して、一方からもう一方へ、お箸を使ってスポンジを移動させる遊びです。成長に応じて、スポンジのサイズや運ぶものを変えてみてください。
お箸の練習にも。シリコン製の三角コーンPiks用コーンキット
練習期のお箸の選び方
子どもたちのペースを大切に、以下のポイントをおさえた製品を選びましょう。-
手のサイズに合った長さ
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- お箸は、上図の手のひらの“aの⻑さ+3cm”が最適な長さだと⾔われています。一般的な目安として、初めてのお箸を使う未満児(1歳・2歳・3歳前)クラス用には13cm~14cm台。以上児クラス(3歳・4歳・5歳・6歳)には15cm~16.5cmがおすすめです。
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材質
- お箸デビュー時期には、食べ物をつかみやすく子どもでも扱いやすい、木製やPBT樹脂(ポリエチレン)製のお箸がおすすめです。プラスチック製のお箸は、手入れがしやすい反面、表面がすべりやすく扱いづらいため、お箸に慣れた頃から使い始めるのがよいでしょう。
- お箸デビュー時期には、食べ物をつかみやすく子どもでも扱いやすい、木製やPBT樹脂(ポリエチレン)製のお箸がおすすめです。プラスチック製のお箸は、手入れがしやすい反面、表面がすべりやすく扱いづらいため、お箸に慣れた頃から使い始めるのがよいでしょう。
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断面の形状
- お箸は断面の形によっても、持ちやすさに違いがあります。
- ●四角:面に指を添えやすく、箸先まで力が伝わりやすい、一般的な形状
- ●六角:鉛筆と同じ形で手や指に馴染みやすく、持ちやすい
- ●丸:角がなく、持ち心地はよいですが、すべりやすいため、お箸に慣れてから使うのがおすすめ
- ●四角:面に指を添えやすく、箸先まで力が伝わりやすい、一般的な形状
練習期におすすめのお箸
お箸の使い始めにぴったりの商品を二点ご紹介します。
上記で説明した以外にも、食洗機や消毒保管庫内での使用可否など、自園の設備に適しているかも意識したいポイントです。
商品名 | アイアンウッド⽊製箸 | PBTダイアエコ六角はし |
素材 | 木製 | PBT樹脂製 |
断面の形状 | 四角 | 六角 |
食洗機・消毒保管庫での使用 | 〇 | 〇 |
長さ | 12.5 / 14.5 / 16 / 18 / 20cm | 13 / 15cm |
こんな人におすすめ | ・⾃然の⽊でできたお箸を使いたい ・おうちで使うような四⾓のお箸を使いたい |
・⻑持ちする樹脂製のお箸がいい ・鉛筆と同じ六⾓のお箸を使いたい |
食具練習期に意識したいこと
食具練習期の食事は、保育者以外の職員も含めた連携が必要です。 たとえば、練習し始めたばかりの子どもは、食具を思うように扱うことができず、上手に食べられないことが続くと食事自体を嫌がることもあります。
そんなときは、調理や給食スタッフに、子どもの進み具合にあわせた食べ物のサイズや形の調整を相談できるとよいでしょう。 使いやすい食具選びに加えて、使い始めの時期は保育者からサポートがあると子どもたちのやる気の維持につながることもあります。
まとめ
食具を選ぶ際には、形状やサイズ、材質、使い勝手、さらに食洗機など、園の設備に適しているかといった点を総合的に考慮する必要があります。
市販の食具には手頃な価格のものもありますが、子どもの使いやすさを重視して設計されたものを選ぶことで、安心して使用できます。子どもの成長にあわせた適切な食具を使うことで、スムーズに練習を進めることができるでしょう。
コドモンストアでは、人数やご予算・ご希望に合わせてご提案・お見積りが可能です。食器・食具のご相談はこちらからお気軽にお寄せください。