先生の健康を守る、熱中症対策 ~今すぐ始めたい、現場でできる工夫と実例~
2025年より、WBGT値28℃以上または気温31℃以上の環境下で、
「1時間以上の連続作業」または「1日4時間を超える作業」を行う職場において、熱中症対策の実施が義務化されました。
保育施設においても、給食室や園庭など、一部の場所がこの基準を超える可能性があるため、 先生が働く環境も制度の対象となりえます。
すでに多くの施設では、帽子の着用や水分補給など、子どもへの熱中症対策は日常的に取り組まれています。
しかし実際には、「予算や時間の都合もあり、先生方には個別に対応してもらっているのが実情で、施設全体としての対策にはまだ手が回っていない」という声も少なくありません。
この法制度の改正をきっかけに、先生方への対策にもぜひ目を向けてみましょう。
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すぐにできる!先生のための熱中症対策事例
ここでは、すでに対策している施設の事例をご紹介します。比較的実践しやすい内容ですので、ご参考にしてください。
服装の工夫
くるみ保育園(東京都 東久留米市)
夏季はエプロンの着用を取りやめ、施設で用意しているTシャツや短パンでの勤務を可能に。通気性の高い服装により、熱がこもりにくく、快適に過ごせる環境を整えています。

保護者からの指摘もなく、スムーズに導入・定着しています。
動きやすさ・通気性・見た目のバランスがとれた熱中症対策として、実用性にも配慮されている好例です。
暑さ対策グッズの支給
りんごっこ保育園(東京都 東村山市)
クールネックリングを先生方に支給し、屋外保育や送迎時に着用を推奨。 手軽に使える冷却アイテムとして、日常的に活用されています。

(クールネックリングを)つけるとつけないでは全然違う。園内で支給してもらえてありがたいです。
一方で、「時間がたつと効果が薄れるため、持続性のある製品があるとよりよい」という声もあり、改善案も現在模索されているとのことです。 小さな工夫でも、実感につながる効果があることがわかる事例です。
空調設備の整備
保育園アルペジオ(東京都 昭島市)
エアコンのクリーニングを定期的に実施。 適切な温度設定ができるよう環境を整え、快適な室内環境をキープしています。

冷房効率を保つことで、快適な室内環境の維持と職員の体調管理に役立てています。
また、作業時に身体を冷やしたり水分を補給するために、冷却グッズや清涼飲料水を常備しておくのもおすすめです。
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施設全体で見直したい本格的な暑さ対策
施設全体の暑さ対策もあわせて見直すことで、子どもや先生方にとっても過ごしやすい環境をつくることができます。
以下は、室内・屋外における環境整備の一例です。
室内の暑さ対策
対象:保育室・職員室・給食室など
サーキュレーター
空気を循環させ、室内の温度ムラをなくすことで冷房効率を高めます。
活用方法:
- 保育室やお昼寝スペースで風を直接当てずに空気を回すことで、空間全体が涼しくなり、 消費電力が抑えられる。
- 大型バルーンづくりや風遊びなどにも使うことができる。
冷風扇・スポットクーラー
手軽に設置でき、短時間での局所的な冷却に向いています。
活用方法:
- 屋外活動、倉庫での作業後や休憩時のクールダウンスペースに設置
- 外遊びが難しい暑い日の、廊下での軽い運動遊び時の補助冷却に。
施設全体の暑さ対策もあわせて見直すことで、子どもや先生方も過ごしやすい環境を作ることができます。 以下は、室内・屋外における環境整備の一例です。
屋外活動時の暑さ軽減
対象:園庭、玄関口など
シェードやテント
直射日光を遮ることで、体感温度を3〜4℃下げる効果が期待できます。
活用方法:
- 水遊び時や園庭・送迎エリア・砂場などの屋外活動エリアに設置。
- 送迎時の保護者にも日除け効果あり。
ミスト設備
気化熱(※)によって周囲の熱を奪い、涼しく感じる環境づくりに役立ちます。
※水が蒸発するときに周囲の温度を奪い気温を下げる事象
活用方法:
- 外の遊具周辺や玄関、登降園の通り道に設置。
- 水遊びの延長としても活用でき、子どもも先生も快適に。
| 項目 | サーキュレーター | 冷風扇(スポットクーラー) | シェード(日除け) | ミスト |
|---|---|---|---|---|
| 主な効果 | 空気を循環させて冷房効率を高める | 風と冷気で一定期間、局所的に冷やす | 日差しを遮って熱の蓄積を抑える | 水の気化熱で周囲を涼しくする(実際の気温を下げる) |
| おすすめの場所 | 室内(保育室・職員室) | 室内の一角、半屋外 | 園庭・砂場・送迎スペース | 園庭・玄関口・屋外通路 |
| 設置のしやすさ | ★★★(電源のみでOK) | ★★★(排水/風向調整に注意) | ★★☆(設置スペースが必要) | ★☆☆(水道・気圧管理が必要) |
| 子どもへの使用 | ◯(直接風を避ける工夫が必要) | ◯(直接風を避ける工夫が必要) | ◎(広範囲を安全にカバー) | ◎(水遊び感覚でも活用可能) |
| 職員への効果 | ◎(作業中も快適) | ◎(休憩・作業時にしっかり冷却) | ◯(直射を避け疲れを軽減) | ◎(外遊び・送迎時の負担軽減) |
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まとめ:熱中症対策は、子どもも先生も
各施設で子どもの熱中症対策はすでに対策済みかと思いますが、保育を支える「先生自身」の健康を守る対策も、これからは欠かせません。
先生方が安心して働ける環境を整えることは、子どもたちが安心して過ごせる施設づくりにもつながります。
限られた時間と予算内で「できることから少しずつ」はじめてみてはいかがでしょうか。
コドモンポイントを活用すれば、費用を抑えた導入も可能です。ぜひ、この機会にご利用ください。
また、施設ごとの環境(湿度・日照・換気条件など)に応じて、最適な対策をご提案することも可能です。先生向けの熱中症対策アイテムや導入方法について、詳しく知りたい場合はお問い合わせください。